看護師便り

東京都済生会向島病院、看護部のブログです。看護師が交代で日々の出来事や想いをお届けします。

春爛漫

2013年03月27日

今年は足早に春がやってきました。隅田川の桜は満開で多くの人で賑わっています。スカイツリーも開業1年を迎えようとしていますが、相変わらずの盛況ぶりです。
皆さんは、春を満喫していますか?

私の住まい周辺はまだ自然もあり、土の香りで春の到来を実感できます。桜の開花と同時に沈丁花の花の香りが春を感じさせてくれました。

この時期は、別れと出会いの多い時期でもあります。土の香りや花の香りとともに、せつない気持ちやワクワクとした気持ちを同時に感じます。

先月、私が卒業した看護学校の○周年の大規模な同窓会が行われました。同期の参加は比較的多く、顔を見た途端、数十年前の学生時代に戻り懐かしい思い出とともに楽しい時間があっという間に過ぎて行きました。

看護学校時代の先生も参加してくださいました。卒業した学校にいままだ在籍されている先生や、現在は違う教壇に立たれている方、看護管理職やアドバイザーとして活躍している方もいました。何より驚いたのは先生方が元気だったこと。表情が生き生きとしていました。あのパワフルさはどこから来るのでしょうか?

先輩方にも会う事が出来ました。現在も付属の病院で管理職として活躍されている方や、病院を替わられて活躍している方など様々でしたが、やはり先輩となると緊張するもの。久しぶりに味わう緊張感で、まるで看護学生時代の臨床実習で初めて感じた緊張感の再来でした。私が看護師として初めて配属されたのは一般外科病棟です。そこで、基礎を学び今の私がいることは間違いありません。当時の先輩から見た私達や、病棟の状況、先生方などの思い出を話していくうちに、必死だったあの頃を今では懐かしむ自分がいました。当時は、3交代勤務で仮眠時間はほとんどなく、夜勤明けでも昼過ぎまで残って仕事するのは当たり前。加えて勉強会や看護研究で休みは返上。こんななスケジュールでも先輩方が必死に働く姿を見て、“頑張ってついていかなければ”と過酷な環境を疑問に感じる余裕すらありませんでした。

昨今、マンパワー不足やライフワーク・バランスの悪さなど、様々な労働環境の問題がクローズアップされ、環境の違いを痛感しています。当時の過酷な状況でも学んできたことが、今の自分を支えているのだと改めて感じることができました。そして、初めての体験や思いは「看護師としての礎だったのだなぁ」と素直に感得しました。先輩からは「当時はあなたたちが新人類だと言われ、本当にそうだなぁと思っていたけど可愛かったものよ。素直だったし。本当によくやってくれていたわ。」と言われました。この言葉を、当時聞くことができたら、どんなに違っていたことでしょう。私は、この時初めて先輩から認めてもらえた気がしました。

今、私は管理職として後輩の育成をする側にあります。4月には新人さんが入職されます。また、新しい出会いがやってくるので楽しみにしています。そこで大切にしたいのが、「人」を大事にすること。そのために、教育委員会でも新人教育の整備強化に取り組んでいます。先輩からの言葉で感じた「認められる」喜びを、他人を「認める」ことにつなげるのが必要で、私自身がタイムリーにプラスのストロークを素直に投げかけられるようスキルアップに努めています。

4月になると新たな気持ちでスタートを切ることが出来、すがすがしい気分で空を見上げることが出来ます。新入職者だけでなく、私たち在職者も新たな気持ちで、皆さんを迎えたいと思っています。一緒に「優しい看護」を目指して楽しみましょう。

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