看護師便り

東京都済生会向島病院、看護部のブログです。看護師が交代で日々の出来事や想いをお届けします。

記念すべき誕生日?!

2009年11月05日

私の第?回目の誕生日の朝、台風18号が誕生祝いに駆けつけてくれました・・・・。まるで、眠り姫のお祝いに招かざる魔法使いが来てくれたように(トホホ~(;_;))
紅葉 その日の午後は、台風一過のピュアな本当に透明な美しい青空が広がりました!!そしてその夜のお食事会(上司や同僚がお祝いしてくださったのです!)、墨田区内で食事をしたのですが、東京タワーまでクッキリハッキリ見えました。一生に一度しか味わえない至福の時を夢見心地で堪能しました。とても気分良く食事会を終了したのに、やはり魔法使いは私にプレゼントを置いて行きました。せっかく誕生日を兼ねて取った夏休み(当院では1年の中で好きな時に夏休みが取れます。素敵でしょう!)なのに初日から風邪で寝込んでしまいました(=_=)。インフルエンザではないところが私らしいと思いつつ、ベッドに横になっていました。今までこんなに休んだことなどなかったのに・・・。
横になって何もする気が起きません。頭に浮かんだのは、昔のことです。
卒業したての若い頃に、やはり熱を出して休んだ時のことです(この時以後、今までこんなに休んだことはがありません)。夕暮れ、日が落ちて遠くで救急車のサイレン。田舎にいた時は母が「粥を作ってくれたり、水枕変えてくれたっけ・・・」と、薄暗くなってきた部屋で心もとない気持ちが心を一杯にして、なんとなく涙が出たりして気持ちがなえたこと。
外科病棟で末期の患者様を受け持った時、自分が寝込んだ時気持ちを思い出して、せめて患者様の気持ちを軽くして差し上げたいと思うのですが、どう接して何をして差し上げれるのか全く手が出ずなかなか訪室できなかった時のこと。これを契機に自分はいったいどうすればよかったのか悩んで、『死に行く患者への支援』についていろいろ学んだこと。カナダで「死にゆく患者様」へのボランティア活動をしている方の話を伺った時、彼女の体験談から何もせず患者様の傍にジッと座っていることで患者様の気持ちが安らぐことを教わりました。そして、受け持っていた患者様がなくなった後は、3か月間は自分の心のケアを受け、気持ちが落ち着くまで、次の方を受け持つことはしないといわれました。それだけ心をこめて傍に付き添われていたのだなと感慨深くお話を聞いたこと。
こんな風にとりとめもなく昔のことを思い出しながら、『自分はどれだけ患者様のことを考えて看護してきたのだろう』と、今更ながら自分の看護力のなさを噛みしめて、心も暗く休んでいました。それに加え、最近は当直で巡視していると自分が知らない薬品が使われていたり、呼吸器のアラーム原因をすぐに理解できなかったり、「第一線には戻れないな~」「引き時かな~」なんてつい考えている自分を思い出したり・・・。体が弱ると心が弱るものだとつくづく実感していました。
でも、『転んでもただでは起きない』自分がいました!!今の私だからこそできる看護があるじゃないかって思ったのです。『急性期の看護は無理でも、病気で弱くなってしまった心のケアだってとっても大事な看護!若い時できなくて苦しんだことが今なら、自分なりの人生経験を積んできた今ならできる!!これからそれを目指すのもいいな。せっかくこの病院で、多くの糖尿病の患者様に携わってきたのだから、人生を重ねることがプラスになることだってあるよね!』。そんなことに思い至った頃から、少しずつベッドから起きだしても体が辛くなくなり、咳も楽になってきました。やはり人間、気持ちの持ちようですね!
看護一筋(?)とは言いませんが、長い間看護に携わっていると、やはり考えることは看護のことなのですね。私たち看護師は、専門職なのですものね。今頑張っている皆さん、気持ちが前向きになるような看護を一緒に目指しましょう!!
紅葉 これから、この秋の優しい光に照り映える紅葉のように、『もうひと輝き』してみるのもいいな~と、今考えています。体を休めている間に期待した王子様は来ませんでしたが、魔法使いの魔法は解けたみたいです。
せっかくの休日が、何もできずに終わってしまうのも悔しくて、休暇の終わりに思い立ち、突然ギリギリで日帰りバス旅行に参加しました(^_^;)。私が申し込んで満席になりました!山の上から見る紅葉は感動的でした(*^^)v!腕が悪くて感動的な風景をお伝えできないことが残念ですが、皆様の豊かな想像力と心の目を加えてご覧いただけると幸いです。
紅葉 さあ、また仕事がんばりまーす!!

See you again someday!

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