看護師便り

東京都済生会向島病院、看護部のブログです。看護師が交代で日々の出来事や想いをお届けします。

歯周病チェック!!してみませんか?

2014年05月27日

青葉も目にまぶしく、風薫る季節になりました。今年はエルニーニョ現象の影響で“冷夏かも”と言われていますが、 5月は夏日も見られ “熱中症に注意!”のニュースも流れました。

私は東北の出身ですが、故郷にも春が訪れたと便りが届きました。連休には弘前の桜が満開になり、きれいだったこと、好物(私のですが)の山菜(タラの芽・ウド・コゴミ・ワラビ・姫タケノコ)が出たら送ってくれることなど・・・。

87歳の母とは、電話を切るときにいつも“今度いつ帰る!?”“そうか。体に気を付けれよ。”の遣り取りがあります。そんな時には、学童期のことを思い出したりします。

物がない時代でも、美味しいご飯やおやつがあり、何か新しいものを買ってもらった時には喜びも大きかったな、と思います。かまどで炊いたご飯のおこげに少しお醤油をかけて・・・、香ばしくておいしかった。天ぷらの時は、残りのとき粉でドーナッツやあげ餅を作ってくれました。私が扁桃腺の腫れから高熱を出した時、リンゴを擦って食べさせてくれたこと、頂きものの桃缶・ミカン缶は、熱を出したときの定番です。冷たいシロップが甘くて最高のおやつでした。子どもの時には感じられなかった母の多くの優しさを思い出します。

少し前置きが長くなりましたが、前回の看護日誌では生活習慣病について書きました。美しく健康であるためには、食事をはじめとする生活習慣に配慮することが大切!ですが、美味しく食べるためには、むし歯・歯周病の予防と毎日のケアもとても大切になります。

みなさんは、6月4日は“虫歯予防デー”というのをご存知でしたか?歯を失う原因としては、虫歯よりも歯周病のほうが確立が高く、日本人が歯を失う原因の第1位だそうです。そして日本人の70%以上が歯周病にかかっているといわれています。『年を取ればそれも自然なこと』と片づけてはいけません。

今回は、美しく健康であるための食事に大切な “歯”を守るために、 歯周病と日々のケアについて調べてみました。

病態

1.   歯周病とは、歯や歯肉などの歯周組織が歯周病菌に感染することで、全身の病気に影響を与える(虫歯は、歯だけを虫食む)

2.   歯周病菌が関連するリスクの高い疾患

3.   動脈硬化,糖尿病,心筋梗塞,肺炎,低体重児出産など

症状

1.   痛みなどの自覚症状がなく進行する(別名サイレント・ディジーズ=静かに進行する病気)

2.   症状が進行すると歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし、やがて歯が抜ける

3.   歯がぐらつく

4.   歯ぐきが腫れる

5.   歯ぐきから出血する

歯周病を進行させる因子

1.   歯ぎしり、くいしばり、かみしめ

2.   不適合な冠や義歯

3.   不規則な食習慣

4.   喫煙

5.   ストレス

6.   全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)

7.   薬の長期服用

予防・改善

1.   食後の歯磨きを習慣づける(食べカスからできる歯垢は72時間で歯石になり、歯ブラシでの除去ができなくなる)

2.   最低1日1回はしっかり歯を磨く

3.   食事はよく噛むこと(歯表面の歯石が付きにくくなり、歯にカルシウムが補給され歯ぐきの血行がよくなる)

4.   定期的に歯石を除去

5.   バランスのとれた食事をとり、規則正しい生活をこころがける

6.   殺菌効果のある成分を摂る

①カテキン:むし歯予防と口臭予防の効果

②グローブ:歯ぐきの老化防止、口臭予防効果

③乳酸菌:殺菌効果が強力(歯磨き前に、無糖タイプのヨーグルトを使用、口の中に含み、歯磨きをする。毎食後3回、最低1~2週間は続ける)

自己チェックをしてみましょう

歯周病のセルフチェック

□朝起きた時、口の中がネバネバする

□口臭が気になる

□ブラッシング時に出血する

□歯肉が痛い、むずがゆい

□歯肉が赤く腫れる

□硬いものが噛みにくい

□前歯が出っ歯になり、歯間に隙間がでてきた

いくつチェックがつきましたか?3つ以上チェックがついたら歯周病の可能性があります。まずは、口腔ケアを行いましょう。症状が改善しない場合は、歯科受診をおすすめします。

財団法人 日本学校保健会が出している『歯肉の状態から健康つくりを見直そう』 には、歯肉の状態や生活習慣を評価するレーダーチャートなどが載っています。興味のある方は、下記からご覧になってみてください。

http://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_H150050/index.html#1

21世紀の医療は、“病気をどう治すか”より、“どう防ぐか”という『予防医学』が最先端になっています。

この『予防医学』とは、医師や病院だけに頼るのではなく、

食事に気を使ったり、

運動をしたり、しっかりと休養を取ったり、

自分の力で自分の健康を守るということで、自助努力をして予防するということです。

わかってはいるけど・・・。と思われている方も少なくないと思います。

有言実行!

いつまでも食事は美味しくいただきたいものですよね。

日々の生活を改めるのも、できること1つずつから始めてみてはいかがでしょうか!

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